家賃相場を公的データで調べる方法 — 住宅・土地統計調査の読み方
公開: 2026-07-11(コトミラボ 編集)
「〇〇市の家賃相場」を調べると、不動産ポータルサイトの相場情報が多くヒットしますが、 実は国の統計にも市区町村別の家賃データがあります。 総務省の住宅・土地統計調査です。この記事では、当サイトでも使っている この統計の家賃データの意味と換算方法、ポータルの「相場」と数字がずれる理由をまとめます。
住宅・土地統計調査とは
総務省が5年ごと(直近は2023年)に行う、住まいに関する国内最大級の 標本調査です。持家・借家の別、広さ、家賃など住宅の実態を市区町村別に集計しており、 「空き家が全国に約900万戸」といった報道の出どころもこの調査です。 家賃については、借家(専用住宅)に実際に住んでいる世帯が払っている家賃が 集計されます。
「1畳あたり家賃」の意味と換算
市区町村別の集計で使われるのは「専用住宅の1畳あたり家賃(月額)」です。 世帯が払う月額家賃を住宅の畳数で割った値で、広さの違いをならして地域どうしを 比べられるようにした単価です。不動産の表示ルール(公正競争規約)では 1畳=1.62㎡とされているので、次のように換算できます。
- ㎡あたり家賃 = 1畳あたり家賃 ÷ 1.62
- 広さX㎡の月額目安 = 1畳あたり家賃 × X ÷ 1.62
| 1畳あたり家賃 | ㎡あたり換算 | 25㎡(約15畳)の月額 | 50㎡(約31畳)の月額 |
|---|---|---|---|
| 2,000円 | 約1,235円 | 約3.1万円 | 約6.2万円 |
| 3,000円 | 約1,852円 | 約4.6万円 | 約9.3万円 |
| 4,000円 | 約2,469円 | 約6.2万円 | 約12.3万円 |
| 6,000円 | 約3,704円 | 約9.3万円 | 約18.5万円 |
| 8,000円 | 約4,938円 | 約12.3万円 | 約24.7万円 |
あくまで面積比例の機械的な換算です。実際の賃貸市場では、狭い部屋ほど㎡あたりの 家賃は高く、広い部屋ほど安くなる傾向があるため、小さめの部屋はこの目安より高め、 広めの部屋は安めに出やすいと考えてください。
ポータルサイトの「家賃相場」と数字が合わない理由
この統計の家賃は、いま住んでいる世帯が実際に払っている家賃の集計です。 何年も前に契約してそのまま更新している世帯の(当時の水準の)家賃も含まれます。 一方、ポータルサイトの相場はいま募集中の物件の希望家賃で、 新築・築浅やリフォーム済みの物件が多く含まれます。このため一般に、
- 統計の家賃(実支払い)は低めに、
- ポータルの家賃(新規募集)は高めに出ます。
どちらが正しいというものではなく、性質の違いです。「これから借りる・貸す」なら 募集家賃を、「その街の家賃水準を長期・定点で比べる」なら統計を、と使い分けるのが 実用的です。売買の成約価格と売出価格の関係(解説)と よく似た構図です。
売買相場とあわせて見る
同じ市区町村の売買の相場(㎡単価)と家賃(㎡あたり)を 並べると、「買った場合の価格が年間家賃の何年ぶんか」というおおよその倍率が計算でき、 賃貸と購入の割安感を比べる材料として使われることがあります。ただし築年・立地・ 管理費等を無視した粗い目安であり、この倍率だけで貸借や売買の有利不利は決まりません。 当サイトの各市区町村ページでは、売買の中央㎡単価と家賃相場(1畳あたり)を 同じ画面に並べて確認できます。
調べ方
市区町村ごとの家賃相場は家賃相場ランキングで 一覧できます(エリア・都道府県で絞り込み可)。個別の市区町村は トップページの市区町村検索からどうぞ。なお住宅・土地統計調査は 標本調査のため小規模な町村は集計されず、当サイトでも該当市区町村は「データなし」に なります。